研究課題/領域番号 |
15330103
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
森田 洋司 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 教授 (80086181)
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研究分担者 |
鈴木 洋昭 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 教授 (90148198)
島 和博 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (50235602)
鎌倉 健 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 助教授 (30340631)
竹村 一夫 大阪樟蔭女子大学, 人間科学部, 助教授 (60243416)
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キーワード | 中小零細企業 / 地域再生 / 都市の社会問題 / 人材育成 / 創造都市 / 都市における共生関係 / ユニバーサル・デザイン / 産業集積 |
研究概要 |
本研究(「大阪地域における中小企業問題と地域再生に関する研究」)は、平成15年から平成17年までの3ヵ年の予定で進められている研究であり、本年度はその最終年度である。 本年度(平成17年)の研究活動は、「地域再生」の新たな枠組みとその可能性を探るために、地域に潜在するさまざまな「社会関係的資本(Social Capital)」に注目し、それらを組み込んだ地域再生はいかにして可能かという視点から研究を進めて行った。すなわち、現在、経済的苦境にある大阪の小零細製造業事業所集積地における「地域再生」という課題を、ただ単に「経済の問題」としてだけとらえるのではなく、人々のさまざまな社会的な諸関係のあり方というファクターを組み込んで、この「地域再生」という課題を考えるという視点からの研究へと拡大・深化させたのである。具体的には、さまざまの「非営利」の市民活動(NPO活動)や、あるいは「社会的企業」活動などを組み込んだ「地域再生」モデルの模索である。 こうした研究の一環として、本年度はイタリアの「社会的協同組合」活動に注目し、その現状と課題を調査することが目指された。具体的には、イタリアのBologna市におけるさまざまの協同組合や非営利市民活動団体(社会的協同組合)による「社会的弱者」支援の諸活動(とりわけ「就労支援」の諸活動)の現状を視察し、関係者からの聞き取りを行うと同時に、関係資料やデータを収集した。 本年度のイタリア(Bologna)出張によって得られた知見や関係資料・データによって、現在の研究に「国際比較」の視点からの分析を組み込むことが可能になった。また、社会的協同組合や非営利金融システム等、いまだ日本ではほとんど実現されていない「新たな」市民活動の現状を視察することによって、「地域再生」の新たなモデル構築のための重要な視点を確立することができた。とりわけ、「地域再生」における市民的諸活動の重要性と有効性を確認すると同時に、そうした活動を下支えする「地域の社会関係的諸資源(社会的資本)の掘り起こし」とその組織化のあり方について有益かつ貴重な知見を得ることができた。 さらに本年度は、過去2年(平成15年、16年)において収集されたさまざまな資料やデータの整理と分析と、最終報告書の作成に向けて、研究メンバー間で活発な議論が行われた。現在、報告書作成の最終段階にあるが、過去3ヵ年において収集・蓄積された知見を的確に整理し、資料・データを最大限に分析・活用した報告書を作成し、公表する予定である。
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