本研究は、北海道の季節労働者がおかれている今日的状況を、技能形成と雇用の視点から明らかにすることを目的にしたアンケート調査とヒアリング調査を中心とする実証研究である。2年目の平成16年度は、前年度の調査で回収できた約8千人に及ぶデータの詳細な解析と、その中で更に次年度の協力を約束してくれた人たちへの詳細なアンケート調査を実施した。 その結果、平成16年度は640名の調査票を回収することができ、雇用保険・特例一時金の運用が一部変更になった制度改革初年度の対応も調査することができた。そして以下に示す研究実績を通して季節労働者をとりまく社会・経済的環境がどのように変化してきているのか北海道の特殊性を含めその実態が明らかになってきた。 平成16年度の主な研究実績をあげると以下のようになる。 1.道内の季節労働者の実数と労働行政の対応を知るために北海道労働局において聞き取り調査を行い資料を収集した。また、季節労働に関わる労働組合の聞き取り調査も行った。 2.北海道と比較をするために、かつてはかなりの季節労働者をかかえ今はその数を大きく減らしている東北地方の状況を岩手、青森、秋田の各労働局で聞き取りを行い資料を収集した。 3.北海道との比較のために、沖縄職業能力開発センターを訪ね、公共事業が抑制され失業率の高い沖縄県の技能教育・訓練の状況を調査した。 4.季節労働者を受け入れている道内外の建設関連企業に対する調査を実施した。 5.季節労働者に対するアンケート調査の実施。(回収率28%) 6.データ整理、データ入力のためのコンピュータソフトの充実とデータ解析の実施。
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