本研究は、北海道の季節労働者がおかれている今日的状況を、技能形成と雇用の視点から明らかにすることを目的にした実証研究である。調査研究の最終年度である平成17年度は、前年度までに得られた資料を分析することで理論の精緻化を図り、他方で季節労働者に対する面接とアンケート調査によって時系列的変化を調べた。それに並行して季節労働者を受け入れている企業、季節労働者組合、公共職業訓練施設での聞き取り調査を実施した。雇用保険・特例一時金の運用が一部変更になった制度改革2年目の対応も調査することができた。そして以下に示す研究実績を通して季節労働者をとりまく社会・経済的環境がどのように変化してきているのか北海道の特殊性を含めその実態を明らかにした。 平成17年度の主な研究実績をあげると以下のようになる。 1.道内の季節労働者の実数と労働行政の対応を知るために北海道労働局において聞き取り調査を行い資料を収集した。また、季節労働に関わる労働組合の対応と地域の実態について建交労函館支部、旭川支部、釧路支部で聞き取り調査を行った。 2.東京・千葉の季節労働者を受け入れている地域の状況について企業、組合から聞き取り調査を行い、資料を収集した。 3.ポリテクセンターを訪ね、技能教育・訓練の状況を調査した。 4.季節労働者を受け入れている道内外の建設関連企業に対する調査の実施。 5.工業高校における進路の状況と2年目を迎える日本型デュアルシステムの状況について、北海道旭川工業高校と茨城県日立工業高校で調査。 6.季節労働者に対するアンケート調査の実施。 7.データ整理、データ入力のためのコンピュータソフトの充実とデータ解析。
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