研究課題/領域番号 |
15330106
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 流通経済大学 |
研究代表者 |
根橋 正一 流通経済大学, 社会学部, 教授 (50164661)
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研究分担者 |
東 美晴 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (50347978)
八田 正信 流通経済大学, 社会学部, 教授 (10218498)
米田 和史 流通経済大学, 社会学部, 教授 (30191662)
朱 思淋 流通経済大学, 経済学部, 講師 (20326797)
呉 軍 流通経済大学, 経済学部, 講師 (30326798)
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キーワード | ワールドシステム / 国際観光 / 高原リゾート / 温泉リゾート / プランテーションと観光 / 植民地観光 / アジア諸国 / 戦争と観光 |
研究概要 |
アジア諸国における国際観光の歴史と現状を分析するために、理論的研究を行うとともに、実証的研究として資料収集および現地調査をおこなった。理論的研究としては、近代の国際観光が成立する背景として、世界資本主義システムの形成と発展との関係に注目し、討論を重ね、根橋が論文を発表した。実証研究は、韓国、中国、ベトナム、スリランカおよび日本を対象として現地調査、資料収集をおこなった。韓国では、李氏朝鮮時代の伝統的な旅行や観光に関するデータ収集に加えて、日本統治時代、それ以降の観光の展開に関する調査をおこなった。ベトナムでは、フランス植民地時代に開発された、高原リゾート地の調査をとおして、近代的な観光の創造と、その後の発展について調査した。また、長期間にわたる戦争と、終結後のネイション・ビルディングにおける観光の役割や位置づけに関しても諸資料の収集をおこなった。スリランカとベトナムにおけるリゾート開発の過程や近代観光の展開の比較から、理論研究でおこなった世界システムとの関連で興味深い知見を得た。中国については上海と雲南で調査をおこなった。沿海部の経済発展都市上海と、西部開発の中心であり、観光産業を主要な手段として発展を計画している雲南、さらには雲南の後背地としての東南アジア諸国との経済的関係、産業技術的関係とともに観光部門の関係について広範な資料を収集した。日本については、長崎市および雲仙において調査し、日本の西欧との接触、すなわち世界システムとの接触、に関する特別な位置にある長崎と、そこをとおして、日本最初の外国人客のための温泉リゾートとなった雲仙とについての多く資料を得ることができた。
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