研究課題
基盤研究(B)
今年度は領域別にアセスメント票の特性を整理するため、以前に収集したアセスメント票に加え、社会福祉施設等の関係機関を対象とした調査等を実施し、アセスメントの現状と課題について検討を行った。また援助計画(プランニング)に関しても国内外の文献研究を進めることにより、アセスメントと援助計画との関係性についての検討を深めた。各領域の詳細は以下のとおりである。1 医療領域 中年期のがん患者・その家族への退院援助を含めたソーシャルワーク援助に特定し、先駆的に実践されている医療ソーシャルワーカーへのインタビュー調査を行い、アセスメト枠組みの検討を行った。2 高齢者領域 介護支援専門員がアセスメントから援助計画へと至る際に考慮する事柄について検討し、グループインタビューを行った。そこではニーズ、社会資源、援助過程、家族関係、ストレングス、援助目標などがあげられた。3 身体障害者領域 身体障害者領域におけるアセスメントの現状と課題を明らかにするため、支援実務経験者にヒアリングを行い、さらに居宅介護事業者への郵送調査、及び更生施設で使用しているアセスメント用紙の収集を行った。4 知的障害者領域 知的障害者領域で使用されているアセスメント様式を、福祉、保健・医療、教育、職業リハビリテーション等の領域ごとに収集し、整理を行った。また自閉症など行動障害を伴う場合のアセスメント様式についても検討した。5 精神障害者領域 精神障害者領域でのアセスメント様式や障害評価尺度の文献検討から、アセスメントの様式はケアマネジメントのモデルの特徴が反映される傾向を認めた。またアセスメントと援助計画の関連を精神保健福祉士の専門性の側面から検討した。6 児童・家庭領域 児童虐待・非行など、要保護、要養護児童に関する研究を実施し、アセスメントの必要性、枠組み、さらに児童相談所のアセスメントの中核としての児童票の項目の意義と見直しを検討した。7 ソーシャルワーク理論領域 アセスメントとの関係からみたプランニングに焦点をあて、基本文献の収集・整理・分析、アセスメントとの関係からみたプランニングの成立条件(特性)についての検討をおこなった。