研究課題
基盤研究(B)
本研究は、ソーシャルワークにおけるアセスメントと援助計画について理論的かつ実践的に考察することを目的としたものである。具体的には、社会福祉の6つの領域(高齢者福祉領域・児童福祉領域・保健医療福祉領域・精神障害者福祉領域・知的障害者福祉領域・身体障害者福祉領域)のそれぞれについて、アセスメント、援助計画、アセスメントから援助計画への展開過程について検討し、ソーシャルワークが捉えるアセスメントと援助計画の関係とその特質について検証を行った。その結果、何に焦点を当ててアセスメントするのかについては、各領域が対象とするクライエントのニーズに応じてアセスメントが行われていることが明らかとなった。そのため、基本属性等の基本的な項目を除いた、すべての領域に共通したアセスメント項目は見受けられなかった。次に援助計画に関しては、この3年間の研究期間内で十分な検証を行うことはできなかったものの、アセスメントと援助計画への展開過程については、領域を超えて共通する視点が多く発見された。その内容には、クライエントの主体性をどのようにアセスメントと援助計画に反映するのかに焦点が当てられていたこと、ツールとしてのアセスメントシート等をどのように活用するかはワーカーの力量や能力に負うことが大きいことなどが含まれる。3年間の研究をとおして、アセスメントから援助計画に至るまでのソーシャルワークの体系的特徴が明らかになった。そして、これらの研究は、多くの研究者と実務家とが協働することによって、より具体的な全体像を捉えることができ、かつ現場実践に応用可能な成果を多くえることができたといえる。
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