研究課題/領域番号 |
15330121
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中野 いく子 東海大学, 健康科学部, 教授 (40141808)
|
研究分担者 |
原田 正樹 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (40287793)
|
キーワード | 世代間交流 / 児童と高齢者 / 総合的学習 / 交流プログラムの開発 / プログラムの効果評価 / 児童の高齢者観 / サービス・ラーニング / 高齢者の学校ボランティア |
研究概要 |
開発した世代間交流プログラム『おとしよりから学ぶ』を用いて、大磯国府小学校5年生132人と高齢者福祉施設(恒道園、湘南老人ホーム、あさひの郷)のデイサービス利用者44人との交流を中心に「老い」を学ぶ活動を1年間行って、小学生の高齢者観や高齢者に対する態度に及ぼす効果を測定した。実施したプログラムは、施設訪問が5回、教室での学習(ハンディキャップ体験、施設訪問準備、老い・死の理解等)が12回の計17回である。 過去4年間、小学生を受け入れている施設の1ヵ所が、利用者の高齢化と利用者数の減少により、受け入れ人数を減らさざるを得なくなった。また、高齢化により対話が難しくなり、パートナーの高齢者を知るためのインタビュー票が、ねらい通りには機能しなくなってきた。このプログラムでは、対話を通じて相手をより深く理解し、擬似的な祖父母と孫の関係を作り出すことで、「老い」を学ぶだけでなく、他者との関わり方を身につけさせることもねらいとしている。しかし、施設側は、集団的な活動の方が盛り上がるとして、個別のインタビュー票には批判的になった。インタビュー票は、元々、対話のきっかけやコミュニケーション・スキルを習得する手段として用意したものである。そこで、今年度、インタビュー票の使用は生徒にまかせた。その結果、ゲーム中心の交流になってしまい、対話が少なかった。再検討を要する課題である。 効果評価には、(1)実施前・実施後の質問紙による調査(SD法と高齢者観スケール)、(2)毎回の活動終了後に生徒自身が活動を振り返って記入する「振り返り」ノートを用いた。これらのデータは、現在、入力中である。なお、昨年度までのデータの分析結果を小学校教員と施設職員を招いた研究会で報告した。高齢者観スケールの実施前・実施後の平均値を比較した結果、2003年度(t値-4.84、p<.001)と2004年度(t値-3.67、p<.001)ともに有意に肯定的な方向に変化したことが判明した。この結果を社会福祉学会等で報告する予定である。
|