研究課題/領域番号 |
15330138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
足立 自朗 東京福祉大学, 大学院・社会福祉学研究科, 教授 (20016489)
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研究分担者 |
高砂 美樹 東京国際大学, 社会学部, 教授 (40261763)
加藤 義信 愛知県立大学, 文学部, 教授 (00036675)
小谷野 邦子 茨城キリスト教大学, 生活科学部, 教授 (20162076)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 助教授 (90215806)
間宮 正幸 北海道大学, 教育学研究科, 助教授 (70312329)
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キーワード | 教育心理学史 / ワロン心理学 / 波多野完治 / 民族心理学 / 勝田守一 / 松井正二郎 |
研究概要 |
本年は、明治期以降、第二次世界大戦をはさみ国内の関連学会が共同して開催した国際心理学会(1970)頃までの時期を中心に、社会との関連、制度的整備、学説の受容といった観点から教育心理学の歴史について検討し、あわせて資料保存の方途をさぐるものである。初年度は大きく戦前・戦後の2つの時期について検討し、資料発掘保存についても検討を加えた。 戦前期 戦前の「民族心理学」に関する国内外の文献を収集し、「心理研究」および「教育心理研究」において、民族心理学、全体性心理学、ゲシュタルト心理学がどのように紹介されていったのかについて資料を集めた。 軍事保護院の活動について公文書館やNHKアーカイブでの資料収集などを行い、松井正二郎の映像などを発掘した。 戦後期 発達研究の展開。波多野完治氏のピアジェ理解の先駆性とその限界を明らかにするための資料収集を行なった。また、東大系の教育学者に受け継がれているワロン心理学への関心の系譜をたどるためのインタビューや資料収集を行なった。 臨床系の展開。フランス心理学の導入という観点から検討するために、京都大学医学部精神医学教室の研究動向を探った。また、東京大学教育学部の勝田守一ら教育学者の研究動向を探った。 資料保存 戦前期でとりあげた松井は戦傷により失明、その後日本大学心理学科を卒業後(財)日本盲人カナタイプ協会や社会福祉法人・日本盲人職能開発センターを設立し、視力障害者の社会進出に貢献した人物であり、心理学史にとってきちょうな人物であり、資料発掘と保存の問題についても問題をなげかけていると理解された。また、聞き取りが必要な人物への系統的な調査体制作りも課題となった。
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