研究課題/領域番号 |
15330138
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
高砂 美樹 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (40261763)
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研究分担者 |
小谷野 邦子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (20162076)
加藤 義信 愛知県立大学, 文学部, 教授 (00036675)
坂西 友秀 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30165063)
間宮 正幸 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70312329)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 助教授 (90215806)
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キーワード | 教育心理学 / 民族心理学 / 知能検査 / 滝沢武久 / 全体性心理学 / ゲシュタルト心理学 / ピアジェ / GHQ |
研究概要 |
本研究は明治期以降、第二次世界大戦をはさんで国内の心理学関連の学会が発展していく1980年前後までの時期に、教育心理学がどのように社会との関連から発展していったのかについて検討したものである。本年は研究の最終年度にあたり、これまでの調査や分析を終えた。 全体は「戦前期」「戦中期」「戦後期」「資料保存」の4班に分けられたが、発展を追っていくと時期にまたがることがあるので、この分類は便宜的なものである。 「戦前期班」では、おもに教育心理学が日本で発展していくうえで大きな影響を及ぼした海外からの影響を扱った。戦前の日本人留学生と教育心理学の関係を調べ、とくに野上俊夫、城戸幡太郎、波多野完治、宮城音弥といったフランス語圏からの影響と、千葉胤成、佐久間鼎、小野島右左雄、岩井勝二郎、福富一郎といったドイツ語圏からの影響についてそれぞれまとめた。ドイツ語圏の影響のなかではゲシュタルト心理学および全体性心理学の影響について中心的に考察した。 「戦中期班」では、とくに戦時中のテーマの1つであった民族心理学、知能と民族の問題などについて、どのように日本で研究が続けられていったのか、日本の支配権が広がるなかで、アジアの民族をどのように教育心理学のなかで扱ってきたのかについて概観した。 「戦後期班」では、GHQ/SCAP文書データベースに基づいた調査を行い、戦後の青年心理学がどのように形成されてきたのかについて、テキスト作りを基本とした分析を行った。また戦後の教育臨床という分野で、精神医学や障害児教育といった隣接領域からどのような影響をうけたのかについても検討を加えた。 「資料保存班」では、戦後のピアジェ心理学の隆盛をよく知る滝沢武久氏について聴き取り調査を行い、貴重な記録を残すことができた。
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