(1)親のしつけ観調査を夫施した。 1)都内に在住している母子4000組(幼稚園児・保育園児3〜5歳児の母子)を対象にして幼児の生活時間を調査し、教育玩具やテレビ、テレビゲーム、絵本などの文化財(メディア)が幼児の生活環境にどのような位置を占めているのかを捉えるための調査を実施した。 2)親のしつけ観を調査することにより、親が子どもの発達において何を大事な活動と捉えているか、子どもの文化財についてどのようなスタンスを取っているのかを明らかにした。 【結果の概要】(1)幼児教育ソフトはコンピュータの先取り体験を与えてくれるので教育的によいとする親が3割程度いる一方で、外遊び、スイミング・体操教室で運動能力を高めたい、絵本の読み聞かせにより情操を豊かにしたいと考えている親が7割を占めている。(2)テレビゲームや電子玩具はビデオ視聴よりもよいが、「学習目的で活用できる」と考える親は少なく「発達的な悪影響を考慮して反対」する親がどの年齢群でも多い。(3)パソコンについてはどの年齢児の親も「他の活動の時間を奪わない程度なら賛成」「将来の必要性があるから積極的に賛成する」「無条件に賛成する」という賛成派が多い。(4)子どもが触れるメディアの中で絵本に対する評価は高く、どの年齢群でも一人あたり平均40冊絵本を所有している。また絵本の読み聞かせを行う親は概してパソコンや電子ゲームに子どもが接触することを好まない傾向が見られた。(5)学習塾への指向性は必ずしも高いわけではないが、スイミングや水泳、大人とのコミュニケーション能力の向上などを目的とした早期教育への期待は高い。子どもが学習関連(文字や数)の質問したときには積極的に応じ、精緻化する方向での支援を惜しまない。 3)上記生活時間調査の結果を踏まえて、教育ビデオゲーム経験の多い子どもと絵本の読み聞かせ経験の多い子どもを抽出し、形成的評価のための予備実験を実施した。 (2)成人による教育ソフトの形成評価を行い、評価実験に用いる評価刺激を選択した。 1)形成評価;「幼児教育玩具」であるゲームソフトを学生・大学院生を被験者にして実際に使用してもらい、演出方法やゲームの導入の仕方、強化の与え方、教育目標と演出や仕掛けの整合性について、使用者の視点に立って形成評価を行った。 2)上記の結果に基づき評価のための刺激を選択し実験手続きの詳細について検討した。
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