研究課題
基盤研究(B)
メディア環境の変化に伴い、幼児がゲームやビデオなどの映像メディアに長時間接触することにより、子どもたちの育ちに深刻な影響が出始めている。親たちは"幼児の学習や発達を促す"教材であると考え、早期教育ビデオの巻き戻し視聴を放任し、早期教育用ソフトへの接触を奨励している。これらの映像メディアへの接触が子どもの肉声への敏感性や集中力を失わせ、コミュニケーション能力を遅滞させると言われているが、その証拠は十分ではない。本研究では教育ソフトに長時間接触することにより対人的コミュニケーション能力の発達にどのような影響があるかについて明らかにするため、調査研究、実験研究、短期縦断研究を実施した。第1に、幼児をもつ保護者3000名を対象にして子どもを取り巻くメディア環境を調査した結果、メディアに接触する時間は低年齢ほど長く、強制的しつけスタイルを受けている子どもほどビデオやゲームに長時間接触することが明らかになった。第2に、ビデオゲームの使用経験を絵本の読み聞かせ経験と比較した結果、ビデオゲーム使用時の会話は乏しく、教育目標として掲げられた能力の向上も見られなかった。第3に、ビデオゲーム使用中の母子の会話を縦断的に追跡した結果、ゲーム操作についてのコメントは増えるが、教育ソフトの内容についてのコメントは殆ど見られず、ゲーム中の会話は殆ど見られなくなることが判明した。これらの研究成果を踏まえて幼児期の子どもの学びを促すメディア環境のデザインはどのようなものが望ましいのかについて提言した。
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平成16年度 21世紀COE研究報告書-基礎的心理発達過程の解明と教育支援-
ページ: 1-19
ページ: 20-25
ページ: 26-39
プロジェクトI『平成16年度 21世紀COE研究報告書-基礎的心理発達過程の解明と教育支援-』
ページ: 40-54
21st century COE -Program Research Report : Elucidation of basic psychological process and educational support. (in Japanese)
21st century COE -Program Research Report : Elucidation of basic psychological process and educational support.