研究分担者 |
堀越 紀香 大分大学, 教育福祉科学部, 助教授 (80336247)
砂上 史子 千葉大学, 教育学部, 講師 (60333704)
師岡 章 白梅学園短期大学, 保育科, 助教授 (70320760)
佐久間 路子 白梅学園短期大学, 保育科, 講師 (30389853)
若本 純子 白梅学園大学, 子ども学部, 講師 (60410198)
|
研究概要 |
○幼稚園の子育て支援の実情と影響について,全国の国公私立幼稚園91園(初年度)に4年間にわたり,3度の質問紙調査と1回のインタビュー調査を行った。主な結果としては,預かり保育を利用している母親は,利用の必要性を感じていない母親よりも育児への負担感が高いこと,子育て相談実施園は3年間で増加し,対象も幼稚園児の親に限らず地域に開いており,カウンセラーなどの専門家が担当している園の割合も増加していた。就園前の親子への視点も調査した3年間で実施園が増加し,開催時期も1年間を通した開催に広がっていた。 ○親子関係の発達と子育て支援ニーズについて,3種類の妊娠期からの縦断調査を行った。第1子妊娠期と出産後における抑うつと夫婦間親密性との因果関係についての検討を目的とした、400組の夫婦を対象とした、妊娠期228組対象の調査では,妻では妊娠期の抑うつが産後6ヶ月の親密性へ、そして産後6ヵ月の親密性が産後1年における抑うつへと影響していた。一方、夫では、妻からのパスがいずれの時点でも有意であり、妻の妊娠期の抑うつが夫の産後6ヵ月の抑うつへ、また妻の親密性が夫の親密性へと、いずれの時点でも影響を及ぼしていた。親になる移行期の心理的健康の推移やそれに影響を及ぼす要因についての縦断的な検討を行った調査において,本年度は5回目調査(3歳時点)を行い、2006年度末時点で父親220名、母親290名から回答を得た。分析の結果,妊娠期における夫婦間の葛藤的な関係が、生後1年時点の父母双方の抑うつ度に有意に関連していた。産後の抑うつのリスク要因の検討を行った、妊婦527名(最終的には287名)の縦断研究では、産後抑うつの危険要因は時期により異なっており、一貫して寄与していたのは妊娠期の抑うつであり、妊娠希望の有無、就労の選択への納得といった出産準備性は特に産後初期の抑うつに影響があったことが示された。
|