研究課題/領域番号 |
15330148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 良子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (20203185)
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研究分担者 |
桑原 知子 京都大学, 教育学研究科, 助教授 (20205272)
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
和田 竜太 京都大学, 教育学研究科, COE助手 (20402951)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 遺伝カウンセリング / 遺伝子診療における心理臨床 / 遺伝 / 遺伝子検査 |
研究概要 |
本研究では、医師による遺伝カウンセリングに心理カウンセラーが同席し、その後に個別心理面接を行って、クライエントの不安や危険を早期に汲み上げて対応するという実践的意義をもつ体制を作り上げつつ、研究を推進してきた。本研究の目的は、この実践を基盤として、(1)発症前遺伝子検査がもたらす心理的影響を慎重に把握するための心理検査バッテリーを検討すること、(2)遺伝子診療・遺伝子検査における心理面接の機能を明確にし、遺伝カウンセリング体制構築に寄与すること、の2点であった。 (1)については、心理検査バッテリーとして、質問紙,(POMS)・バウムテスト・遺伝SCTを組み合わせることにし、遺伝SCTを本研究グループで独自に作成した。施行法については、心理面接を行う者が心理検査も担当するという方法で、医師による数回にわたる遺伝カウンセリングに組み込んで実施した。すなわち、心理検査を行うに際しても、心理面接関係を基盤として慎重に行うと同時に、遺伝子検査結果が出た後にもクライエントを守る体制作りをしておく機能を果たすことが目指された。その結果、POMSはクライエントの意識的な自己把握、バウムテストは無意識的な側面、遺伝SCTはその狭間にある心理的対人的な多様な側面をクライエントとともに確認するための有効な役割を果たすことが示された。 また、(2)については、遺伝医学という先端医療の知識の説明を正確に行う立場の専門家と、クライエントの心の次元からの言葉をじっくり聴くという心理臨床の専門家による役割分担によって、医療者からクライエントに遺伝情報を提供するだけではなく、その情報をクライエントがどのように受け.取ったかについての心の次元の吟味がなされ、クライエントが主体的に遺伝情報を用いる可能性が高くなることが示された。
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