研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、形態知覚に関する神経機構について、脳イメージングを利用して解明することである。具体的には、形態知覚の各過程に対応した刺激布置を提示した時に現れる脳活動を測定し、活動領野の同定を行うとともに、脳活動の時間特性・空間特性を解析することによって、関連領野の機能的関係を明らかにした。色対比現象、マスキング知覚、アモーダル補完知覚について行った、fMRIによる脳活動測定結果について、レチノトピーに基づいた視覚領野の特性解析を行ない、知覚的文脈効果について総合的に検討した。その結果、これらの知覚的文脈効果が生じる時には、空間特性の異なる脳活動パターンが、低次および高次視覚領野の活動特性の違いとして明らかになった。色対比現象、マスキング効果、アモーダル補完知覚において、一般に、空間的に局限される効果がV1〜V3の領野でみられ、空間的に広がる効果がV4でみられる傾向がある。また、V1では、アモーダル補完知覚のような主観的知覚事象に則した脳活動が見られた。これらの脳活動特性と知覚過程との関係をさらに検討するために、色対比効果と等輝度色刺激によるマスキング効果について、心理物理的な実験をおこなった。色対比効果については、空間的に局所的な効果と大域的な効果の広がりについて定量測定を行い、脳活動で推定される空間相互作用との比較検討を行った。等輝度色刺激によるマスキング効果については、マスキングがおこる色条件について検討し、同色、反対色で有意な差が見られた。これらは、脳活動において見られる現象と対応した。結果に基づき、マスキングにおける色情報処理過程について検討した。
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Journal of Neuroscience (In Press)
基礎心理学研究 (印刷中)
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