研究課題/領域番号 |
15330156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
箱田 裕司 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50117214)
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研究分担者 |
橋彌 和秀 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (20324593)
中村 知靖 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (30251614)
神尾 陽子 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (00252445)
川畑 秀明 鹿児島大学, 教育学部, 講師 (70347079)
安藤 満代 群馬大学, 医学部, 助教授 (10284457)
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キーワード | 領域固有性 / 非対称性混同効果 / 画像認知 / 自閉症 / 発達 / 視線 / 味覚 / 表情 |
研究概要 |
認知心理学において最近注目されている問題の一つは、「領域固有性・一般性」である。ある刺激の認知や課題の遂行が、それらに特化したメカニズムに、それとも共通のメカニズムに基づいているのかという問題である。本研究は、画像認知や、自閉症、脳研究などの多角的側面からアプローチするものである。今年度は、本課題に関する見解の擦り合わせを行うために討論の機会を設けた。この議論を踏まえて、それぞれ今年度行う実験計画を吟味した。次に,研究遂行に必要機材を購入し、実験システムの構築を行った。さらに、それぞれの領域について予備的研究を行い、具体的には次のような成果を得た。 1.非対称性混同効果(一般に画像に加えられる追加変化は削除変化よりも認知されやすいという現象)について、日常の様々な光景を描いた画像を用いて成人の被験者を対象に予備的実験を行ない,追加優位の非対称性混同効果を確認した。その背景に変化が加えられた画像に対する違和感があることが示唆された。 2.子どもを対象に非対称性混同効果の予備的実験を行なった。言語によらずに被験者の反応を知るために皮膚電気反射の測定を行い,これからの実験方法の確立を行った。 3.味覚に関する表情変化の認知が、味覚の種類によってどのように異なるのか、生得的にすでに決まっているものとそうでないものは何なのかを決定するための実験を行ない、味覚表情の認知に関わる領域固有性についてのデータを得た。 4.対人認知は領域固有かそれとも一般であるのかという問題について、顔の表情認知を中心に自閉症の子どもを対象に予備的研究を行い、領域固有性に関する知見を得た。 5.視線は対人関係において危険や脅威,恐怖刺激の検出にとって重大な意味を持つ。視線知覚による注意促進と対象認知に関して予備的研究を行い、領域固有性に関して証拠を得た。
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