研究課題/領域番号 |
15330173
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
木岡 一明 名城大学, 大学院・大学・学校づくり研究科, 教授 (10186182)
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研究分担者 |
小松 郁夫 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 部長 (10130296)
坂野 慎二 玉川大学, 通信教育部, 助教授 (30235163)
加藤 崇英 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 研究員 (30344782)
沖 清豪 早稲田大学, 文学学術院, 助教授 (70267433)
福本 みちよ 山梨英和大学, 人間文化学部, 助教授 (40387410)
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キーワード | 学校評価 / 学校組織マネジメント / 外部評価 / 第三者評価 / 支援システム / ニュージーランド / NPM |
研究概要 |
本研究は、平成8年度から平成10年度にかけて、文部省から科学研究費補助金(基盤研究(A)(2)課題番号08401010)を受けて行ってきた「学校評価に関する実証的研究」(代表牧 昌見)、さらに平成11年度から平成14年度にかけて、科学研究費補助金(基盤研究(B)(2)課題番号11551006)を受けて行ってきた「学校評価の促進条件に関する開発的研究」を基礎とする展開研究である。本研究の主眼は、自己評価と外部評価が機能的に連携した学校評価システムの開発にある。そのため、外部による評価を受容する文化がまだまだ成熟していない日本の学校文化において、(1)いかに外部機関(者)を受容する体制を構築していくか、さらに(2)外部による評価結果をいかに自己評価に反映させ、学校経営の活性化を効果的に進めていくか、といった日本の各学校や教育委員会が抱える現実的課題に、理論的実証的に取り組んできた。以下、結論を箇条書きする。 (1)学校評価を推進するには、学校の状況を的確に分析した専門的な助言が必要であり、その意味でアドバイザーの存在は不可欠である。ただし、そのアドバイザーは、学校に常駐しているわけではない。年間に数度の訪問だけでは、概要は把握できても細部にまで眼が届かない。しかも、学校は、学校経営だけで成り立っているわけではなく授業や生徒指導など多岐に及び、とても一人のアドバイザーでは対応しきれない。したがって、アドバイザーの活動を補完する仕組みが必要である。 (2)現在、教員系大学等において進められてきているスクール・リーダー養成のための大学院づくりは、そのような力量を備えた人々を養成していくという点で、また大学院スタッフ自体のコンサルティング能力の開発にも有効であろう。ただし、教職大学院の設置は、量的な拡大には大きな限界があることは明白である。しかし、教職大学院において実現しようとしている事柄は、確かに各学校にとっても必要である。 (3)この落差を埋めていくには、裾野の拡大を図っていくことが当面の課題となる。すなわち、各地の教職員研修の充実である。モデル・プログラム開発と教材作成を大学等の研究機関が担うならば、相当に充実した研修の実現が引き出されるであろう。
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