研究課題/領域番号 |
15330174
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
恒吉 僚子 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50236931)
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研究分担者 |
近藤 安月子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90205550)
丸山 千歌 横浜国立大学, 留学生センター, 助教授 (30323942)
野水 勉 名古屋大学, 留学生センター, 教授 (50175527)
泉 邦寿 上智大学, 外国語学部, 教授 (70053676)
馬越 徹 桜美林大学, 国際学研究科, 教授 (60000030)
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キーワード | 国際化 / 短期留学 / 英語帝国主義 / 教育の比較研究 |
研究概要 |
英語帝国主義の批判をよそに、「世界共通語」としての英語熱は各国で高まっている。こうした英語の「グローバル」言語化が進行する中、戦略的に英語を国際化と絡めて用いる、英語化戦略を、大学や教育の国際化戦略と結び付けて行う場面が増えている。本研究は、十年のサイクルを迎えた国立大学における英語による特別プログラム方式の短期留学制度の分析を一つの柱に、「国際化戦略としての英語」という視点から、日本の状況を東アジア、東南アジア、EUと比べながら、世界的潮流の中に位置付け、考察することが目的であった。 本研究は、1)日本においての「国際化戦略としての英語」を考える切り口として、国立大学において、英語を教授用語とした講義を設置することによって、何が達成され、何が課題なのかを、東大、名古屋大、横浜国立大学の教員の英語に関する意識調査を行うと共に、英語の教授用語化に関わる制度・理念的課題(例 留学生事務や講義担当者の支援体制)について分析した。その中間報告は、東大の短期留学プログラムAIKOMと共催で報告書として出された。2)イギリスの植民地支配終了後、教授用語としての英語に関して異なる選択をしたシンガポールとマレーシアでの状況を中心に、東南アジアにおける言語政策と国語、言語、ナショナリズムと民族の関係などについて、海外からの招聘者を招き、国際シンポを行った。3)また、担当者による韓国調査をもとに、英語の「世界共通語」化の視点から見た場合には、日本と類似した言語状況を持つ面もある韓国における英語状況、4)多言語主義を実験するEUの調査による事例の検討と公開研究会も行われた。こうして、本研究は、各国の英語をめぐる象徴的な事例分析と比較しながら、英語を切り口として、日本が置かれた状況、戦略や文化的葛藤、ジレンマを、「国際化」の再考と共に考察した。
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