研究概要 |
イギリスのエクセター大学を中心とする「算数教育における達成度に関する国際的な継続的プロジェクト」(IPMA)に参加し,日本の児童に対して使用可能な達成度調査問題(開発完了)を用いて,第1児童集団に続いて第2児童集団に対してもTEST6までの調査実施を完了した。これらのデータ整理及び分析を行い,高学年段階における達成度の実態及びその特徴を明らかにし,全国数学教育学会で口頭発表した。また,達成度の伸びを適切に評価するための方策の1つとして,特定の評価尺度(通称:value-added)を導入することを究明した。これについては,全国数学教育学会誌第11巻に学術論文として掲載された。さらに,高学年段階での達成度の伸びが芳しくない問題群に対して誤答分析を行い,「典型的誤答」の存在を明らかにするとともに,本研究の継続性を生かして,「典型的誤答」を示した児童の実態を分析し,その結果を日本教科教育学会において発表した。加えて,中・高学年段階での達成度の伸びが芳しくない問題群に対する事後調査結果の分析を中心内容とする論文(英文)を作成し,国際数学教育心理学会(PME)で発表する準備を行った。 平成17年9月には,シンガポールのIPMAコーディネータを訪問し,本科研のレビューを受けるとともに,他国のデータとの比較・検討および研究情報の交換を行った。 平成18年度には,平成18年7月に開催予定の国際数学教育心理学会(PME)で研究発表するとともに,すべての調査データの整理・分析を完了し,算数科における児童の達成度を維持・向上させるための研究成果を報告書にまとめる予定となっている。
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