研究課題/領域番号 |
15330203
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
進 一鷹 熊本大学, 教育学部, 教授 (60124210)
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研究分担者 |
緒方 明 熊本大学, 教育学部, 教授 (70169168)
古田 弘子 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60315273)
干川 隆 熊本大学, 教育学部, 助教授 (90221564)
肥後 祥治 熊本大学, 教育学部, 助教授 (90251008)
高原 朗子 熊本大学, 教育学部附属教育実践総合センター, 助教授 (20264989)
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キーワード | 特別支援教育 / トレーニングプログラム / コーディネーター / ネットワーク / 障害のある児童・生徒 / 教師 / 校内支援体制 |
研究概要 |
本年度は、1)昨年検討した特別支援教育を担う教師のトレーニング・プログラム(試案)の実施と、2)トレーニングプログラムの成果の評価を行った。 1)プログラムの実施 昨年度作成したトレーニングプログラムでは、支援の個別化(特別支援教育の流れ、支援技法)と支援のネットワーク化(連携協力の仕方、教師のコミュニケーションスキル、学級での支援)から成っていた。本年度は、そのプログラムの一部をK市の特別支援教育研修会(コーディネーター講座)と熊本大学地域貢献特別事業で実施した。内容として、これまでの特別支援教育への移行や軽度発達障害に関する知識を中心としたものに加えて、学校での支援体制を作るためのスキルを養成するために、事例協議や問題解決スキルを習得するためのグループワーク、心理劇などの演習型の研修を取り入れた。参加者による評価は、一方的に聞くだけでなく学校での実践につなげる上で役に立つなど肯定的なものであった。 2)プログラムの成果の評価 研究分担者(主に、肥後、高原、干川)は、主にK市内の学校を定期的に訪問し、実際の学校におけるニーズを面接調査し、さらに学校において上記の研修内容を検討した。教師からあがる主なニーズは、これまでの特殊教育の発想から、個々の事例への対応に対するニーズが多かった。しかし、人的財政的事情を考えると各学校に専門家が定期的に訪問することは困難である。特別支援教育の発想に立てば、学校内で教師が支え合う校内の支援体制づくりが必要となる。このため、上述の支援のネットワーク化に向けた連携協力のための研修を実施したところ、参加者は、体験することによって事例協議の持ち方などの連携協力スキルの必要性を高く評価していた。 今後は、これまでの特殊教育で培った知識と連携協力スキルを養成するための研修とのかねあい、さらにより効率的なプログラムの在り方を検討する必要がある。
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