研究分担者 |
肥後 祥治 熊本大学, 教育学部, 助教授 (90251008)
干川 隆 熊本大学, 教育学部, 助教授 (90221564)
竹林地 毅 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 総括主任研究官 (50332169)
徳永 豊 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 企画部, 総括主任研究官 (30217492)
齊籐 宇開 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 研究員 (20360745)
|
研究概要 |
本研究の目的は、国内外の知的障害のある人の生涯学習の展開について,法制度の変遷,文化的背景等の社会的要因や,参加者及び保護者のプログラムに参加した経緯、これまで受けてきた支援や教育のヒストリー等,また支援者の障害に関する認識とプログラムの内容等の個人的要因を検討し,我が国における知的障害のある人のために有用な、生涯学習プログラムとその支援方法及び体制を開発することである。平成16年度は、以下の海外の取り組みに対する実地調査を行った。 カナダのアルバータ州エドモントン地区では,「アルバータ地域生活協会(親の会)」や「発達障害のある人のためのアルバータ州委員会(福祉行政機関)」との連携・協力をもとに,2つの大学(総合大学1校,コミュニティーカレッジ)で,支援者をうけながら,知的障害のある人が大学の通常の科目を聴講生として受講する形態の生涯学習プログラムを実施していた。同様のプログラムがアルバータ州全体では、9の総合大学やコミュニティーカレッジにおいて行われており、各大学のプログラム参加者は3名〜11名という規模であった。このプログラムの歴史は、1987年にさかのぼり、2004年3月の時点で46名の修了者をだしており、何らかの賃金を得ているものが約70%、賃金はもらっていないがボランテイアとし社会参加をはたしているものが20%という成果をあげていた。 フィンランドでは,職業専門学校を中心に訪問調査を行い,パートタイムでの老人介護等の職種への就労についての具体的な情報を得た。スウェーデンでは,主に移民や障害の重篤化した人などを含んだ成人を対象にした支援システムを調査した。シンボルをコミュニケーション手段に用いる学習を,成人期から取り組みはじめた事例などの情報を得ることができた。 オーストラリアのフリンダース大学及びクイーンズランド大学では,大学で行っている知的障害のある人のプログラムについて,参加者・保護者及び支援者へのインタビュー調査に関する協力の依頼を行い,次年度の調査協力に関する了解を得た。また,アデレード地区及びブリスベン地区のTAFEにおけるプログラムに関する情報を得た。
|