研究分担者 |
肥後 祥治 熊本大学, 教育学部, 助教授 (90251008)
干川 隆 熊本大学, 教育学部, 助教授 (90221564)
佐藤 克敏 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 主任研究官 (20310360)
徳永 豊 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 企画部, 総括主任研究官 (30217492)
齊藤 宇開 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 研究員 (20360745)
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研究概要 |
本研究の目的は、国内外の知的障害のある人の生涯学習の展開について、法制度の変遷、文化的背景等の社会的要因、参加者及び保護者のプログラムに参加した経緯、これまで受けてきた支援や教育のヒストリー等、支援者の障害に関する認識とプログラムの内容等の個人的要因を検討し、わが国における知的障害のある人のために有用な生涯学習プログラムや支援方法等を開発することである。 平成17年度では、先ず研究分担者による研究協議会を開催し、これまでの海外調査から得られた結果について、中間まとめをすると同時に、知的障害のある参加者に対するインタビュー調査項目を作成し、標準的なツールとして用いることとした。 海外調査では、ニュージーランドのオークランド地域を対象に、特別学校及び教育省における知的障害のある人の学齢期及び学齢から社会に移行する段階の教育内容・方法を調査し,同時にIDEAS, Manuaku Institute of Technologyの知的障害のある成人に対する職業教育,生涯学習の取り組みについて実地調査を行った。 特殊学校3校の調査では、インクルーシブ教育の推進という国の施策の下にメインストリーミング学校が増えつつあるものの、特殊学校が通常の小・中学校、高等学校にサテライトクラスを作って障害のある児童生徒が通常の学級で学習する機会を持つと同時に、障害のない児童生徒も支援する仕組みを持っており、また、そうした仕組みに有利に働くファンド・システムがあり、21歳までの知的障害のある生徒の教育において特殊学校が有効に機能している現状が見いだせた。 社会への移行については,個別教育計画の中に取り組みが記載され,校内での作業学習や地域での職場実習を経て,就職または継続教育等の進路がある。以前は授産施設への進路もあったが,2001年の施策により,最低賃金法が施行されたため授産施設で働く選択肢がなくなり,IDEASのような支援機関で職業教育や,余暇活動を行ったりしていることが明らかとなった。また,Manuaku Institute of Technologyのような職業高等専門学校などの高等教育機関では,数校が知的障害のある人向けの教育プログラムを実施しており,コースを終えるとレベル1の資格を取得できること,支援雇用機関を利用した移行プログラムがあることが明らかとなった。
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