一般型代数多様体の自己同型群について研究で成果が上がった。 滑らかな一般型代数多様体の自己同型群から微分同相写像のイソトピー類の作る群(リーマン面の場合の写像類群)への自然な準同型が単射であることが分かった。これは古くからある予想の部分的解決である。 他のところでは、一般型代数多様体のモジュライ空間について、とくに3次元の一般型代数多様体の双有理モジュライ空間について、その準射影性が証明できた。これは部分的な結果なので、さらに一般次元の場合の研究を進めている。これらは現在論文を執筆中である。 また、複素解析幾何に於ける諸問題について、その未解決問題の解説を昨年の幾何学シンポジウムで発表した。これは、近いうちに出版予定である。 さらに、多変数サマーセミナーで連続講演を行い。乗数イデアル層の理論の啓蒙活動を行った。 また、Survey in Geometryにおいて、最近の複素微分幾何学における進展状況のoverviewを行った。 この科研費を使って、マールブルグ大学のGeorg Schumacher教授を招いて、共同研究を行った。ここでは写像空間の剛性について研究を行い、予備的な結果を得た。しかし、まだ決定的な結果は得られておらず。 引き続き共同研究を続ける予定である。
|