研究課題/領域番号 |
15340018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
辻 元 上智大学, 理工学部, 教授 (30172000)
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研究分担者 |
二木 昭人 東京工業大学, 理工学部, 教授 (90143247)
石井 志保子 東京工業大学, 理工学部, 教授 (60202933)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 多重標準写像 / 標準束 / ケーラー計量 / アインシュタイン計量 / 多重種数 / analytic Zariski decomposition / Bergman kernel / plurisubharmonicity |
研究概要 |
本研究では、nのみによる正数m (n)が存在し全てのn次元一般型代数多様体Xについて、全てのm>m (n)に対してmK_{X}が双有理埋め込みを与えることを証明した(Osaka Journal of Mathematicsに掲載、及び掲載予定)。 また、射影族の半正曲率を持つエルミート直線束の随伴東について、そのベルグマン核の多重劣調和性の証明した。これはBerndtssonの結果の一般化である。 これに関連して、ケーラーアインシュタイン計量の新しい構成法を与え、さらに、ケーラーアインシュタイン体積形式が射影族において、多重劣調和であることを証明した。これは最近のDonaldsonによる定スカラー曲率ケーラー計量の構成とも関連し興味深い結果である。 さて、ケーラーアインシュタイン計量は、少なくとも一般型ないし、第一チャーン類が0の代数多様体でなければ、一般には存在しない。そこで、単線織的でない任意の代数多様体上に、複素構造から一意的に定まる体積形式を構成した。この体積形式の優れた特長は、その定める標準束の特異エルミート計量が半正値となる点にある。これと種種の消滅定理とを組み合わせることにより、代数多様体に関する有用な情報が得られる。 さらに、その変動が射影族においては、多重劣調和になることを証明した。これにより特に多重種数の変形不変性について、非常に見通しのよい証明が与えられた。 さらにこの結果は、標準束が擬正の川又末端対に一般化される。これにより、飯高ファイブレーションについて有用な情報が得られる。またリッチ流の極限として得られる体積形式の有力な候補でもある。
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