研究分担者 |
北野 晃朗 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (90272658)
石川 昌治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10361784)
寺嶋 郁二 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70361764)
遠藤 久顕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20323777)
牛島 顕 金沢大学, 理学部, 講師 (50323803)
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研究概要 |
3次元球面内に埋め込まれた円周のことを結び目と言い,局所的に3次元ユークリッド空間と同じ図形のことを3次元多様体と言う.3次元球面は3次元多様体の簡単な例である.結び目の管状近傍(ソリッド・トーラスと同相)を取り去り違った方法で埋め直すことにより(Dehn手術),一般には3次元球面とは異なった3次元多様体が得られる.本研究では,、結び目とDehn手術によって得られる3次元多様体の性質を不変量の立場から研究する. 結び目のJones多項式は,量子不変量の代表的なものでありさまざまな研究がなされている.特に近年注自を集めているのは,色付きJones多項式のある種の極限が結び目補空間の双曲的体積を決定するであろうという体積予想である.これは最初Kashaevによって,彼自身の導入した不変量との関係で提唱され,その後早稲田大学の村上順氏と研究代表により,Jones多項式との関係が明確になったものである. 本年度は,体積予想の拡張に関して研究を行った.主な結果は次の通りである. 結び目のN次元Jones多項式に1のN乗根を代入して,Nが大きくなるときの漸近挙動を調べることによって,結び目の補空間の体積が得られる,というのが体積予想である.東京都立大学の横田氏との共同研究により,1の冪根以外の値に関する極限を考えれば,少なくとも8の字結び目に関する限り,結び目のDehn手術によって得られる3次元多様体の体積が得られることが確かめられた.現在,この結果を他の結び目に拡張すべく研究を進めている.
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