研究課題/領域番号 |
15340020
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
|
研究分担者 |
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
佐藤 肇 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (30011612)
小林 亮一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20162034)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90211870)
|
キーワード | シンプレクティック幾何 / フレアホモロジー / ミラー対称性予想 / A_∞代数 / ラクランジュ部分多様体 / 単純特異点 / 単純楕円型特異点 / フィリング |
研究概要 |
1.研究課題の一つである特異点の研究について。代数曲面における孤立特異点のまわりのリンクには自然な接触構造が入っている。そのシンプレクティックフィリングを決定することは重要であるが、一般にはたいへん難しい問題である。我々は単純特異点の場合および単純楕円型特異点の場合に、そのリンクのシンプレクティックフィリングのシンプレクティック変形類を完全に決定した。更にその考察の副産物として、(2,3)カスプ特異点をもつ正交点数有理曲線を含むシンプレクティック4次元多様体は有理曲面であることを証明した。以上は研究分担者である小野薫氏(北海道大)との共同研究である。 2.フレアーコホモロジーとミラー対称性予想に関する研究課題については、ラグランジアン部分多様体Lに付随して我々が構成したフィルター付きA_∞代数を用いたフレアーコホモロジーの障害理論と変形理論を今年度も引き続き研究した。今年度に得られた新たな知見として、障害類を完全に代数的に定式化できたこと、および、その障害類と種数0のグロモフ-ウィッテン不変量との新たな関係を見い出したことがあげられる。これによって例えば、障害類が消えるためのいくつかの明快な十分条件が得られた。また、物理学の文脈で現れる超ポテンシャル関数を我々のA_∞代数の枠組みで捉えることができた。これを用いると、2組のラグランジアン部分多様体に対してフレアーコホモロジーが定義できるための障害が、超ポテンシャル関数値の差異として理解できることがわかった。これは、物理的試論によって得られていた堀-バッファの結果を数学的に解明したことを意味する。以上は、研究分担者である深谷賢治(京都大)、小野薫氏(北海道大)およびYon-Geun Oh(ウィスコンシン大)氏との共同研究である。
|