研究分担者 |
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30252571)
宮西 正宜 関西学院大学, 理工学部, 教授 (80025311)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
本多 宜博 東京工業大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60311809)
並河 良典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80228080)
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研究概要 |
多くのVII型コンパクト複素曲面上に反自己双対エルミート計量を構成する方法を開発し,特にそのもっとも典型的な例である,放物型,双曲型,半双曲型の3種類の井上曲面および榎曲面上に,連続パラメータを持つ反自己双対エルミート計量を構成した.ここでこれらのパラメータの次元はほぼ計算できているが,これうのパラメータの幾何学的意味を同定することは今後の興味ある課題を提供する.また放物型,および榎曲面はそれら自身が複素パラメータを持つが,われわれの方法はそのうち"実"のパラメータを持つものについて,反自己双対計量を構成する.これらの事実は,反自己双対計量の存在に対する興味ある必要条件の存在を示唆する.これらについてはもっとも簡単な場合である,ホップ曲面上の反自己双対計量についてのPontecorvoの結果を,検討しその条件がある種の"実的制限条件"であることを観察した.また放物型の場合にはすでにLeBrunにより明示的な計量が構成されており,この計量とのわれわれの計量との比較についても興味ある考察を行った. われわれの方法は,いわゆるツイスター空間による方法であり,具体的にはDonaldson-Friedman, Pontecorvo-Kimの方法の拡張である.その最初のポイントは,VII型曲面が,位相的にはある種の有理曲面の"自己連結和"とみなされるという観察であり,これによって上記D-Fなどの結果と,中村のVII型曲面に関する研究が結合する. 井上曲面などの具体的な場合の構成については,以前に代表者が詳細な研究を行ったJoyceツイスター空間の構造および変形理論を用いる.またこれらの方法は,双曲型の場合を含む上記井上曲面上に対を成す反自己双対計量の存在を強く示唆しており,その方向でのいくつかの結果を得た.
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