研究分担者 |
國分 雅敏 東京電機大学, 工学部, 助教授 (50287439)
山田 光太郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10221657)
小磯 憲史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116028)
藤木 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80027383)
ROSSMAN Wayne 神戸大学, 理学部, 助教授 (50284485)
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研究概要 |
「定曲率空間の曲線と曲面の幾何」に関して本年度は以下のような結果を得た. (1)3次元双曲型空間H^3の平坦な曲面に関して,そのcausticも平坦な曲面になることがブラジルの数学者Roitmanによって指摘された.これを受けて,研究分担者の山田氏・國分氏・ラスマン氏と特異点をもつ平坦な曲面の完備性に関して再検討を行い,必ずしも特異点集合がコンパクトでない曲面についても,H^3の単位余接束のルジャンドル曲面としての誘導計量による完備性と有限全曲率性の仮定のもとで,Osserman型の不等式が成り立つことを示した. (2)平坦な曲面から法線方向に一定距離d離れた曲面は,平行曲面と呼ばれ,また平坦になることが知られている.上記平坦な曲面(回転面を除く)について,特異点集合がコンパクトで,その補集合で完備な曲面に対して,有限個の値dの可能性を除いて,その平行曲面にはcuspidal edgeとswallow tail以外の特異点が生じないことを,佐治氏(広島大学の院生)および研究分担者の山田氏・國分氏・ラスマン氏と共に証明した. (3)実射影平面の単純閉曲線の変曲点に関しては,ケルン大学のThorbergsson氏との共同研究で,曲線が1点にホモトピックでなく,また各点で,曲線と1点のみで交わる直線が存在するなら,曲線上に,その接線が曲線と連結成分1つで交わるような変曲点が少なくとも3個存在することを示した.これな古典的なメービウスの変曲点定理の精密化である. (1),(2)の研究については,8月の幾何学シンポジウムにおいて総合的な見地から,今後の課題や問題点などを含めて講演を行った.また(3)の研究成果については,1月の福岡大学微分幾何研究会において,研究発表を行った.
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