研究分担者 |
平地 健吾 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (60218790)
高木 寛通 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助准教授 (30322150)
佐藤 栄一 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (10112278)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80116102)
辻 元 上智大学, 理工学部, 教授 (30172000)
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研究概要 |
1.多重標準写像の有界性. 次のような代数多様体論における1つの基本定理を証明しInvent.Math.(2006)に発表した.以下では共にXは一般型代数多様体とする. 定理1.次元n=dimXのみに依存する数m_nが存在して,任意の自然数m>m_nに対して,多重標準写像g : X→CP^-Nはその像g(X)への双有理写像を与える. 定理2.次元n=dimXのみに依存する数C_n>0が存在して,mが無限大に発散するとき,m次多重種数P_m(X)についてP_m(X)>(C_n/n!)m^n+o(m^n)という評価が成立する. 古くはリーマン,ネーターによりm_1=3,C_1=2がそして1980年代後半にReiderによりm_2=5,C_2=1であることが知られている.dimX=3のときでさえ未解決であったが,Siuによる多重標準型式の拡張理論を発展させ,川又の劣同伴定理を応用することなどにより解決した. 2.多重種数の不変性,下半連続性. 以下ではXは複素解析空間,Tは複素平面内の単位円板,f : X→Tは代数的な固有正則写像とする.多重種数の変形での振舞いについて,Siu,川又,中山らの議論を発展させて1970年代からの予想を最終的に解決しJ.Algebraic Geom.(2006)に発表した. 定理3.Tの各点t上のファイバーX_tが高々標準特異点しか持たないならば,各自然数mに対しP_m(X_t)はT上の関数として定数である. 定理4.中心ファイバーX_0の既約成分への分解をY_1,Y_2,…,Y_kとする.このとき各mに対して多重種数の下半連続性P_m(Y_1)+P_m(Y_2)+…+P_m(Y_k)=<P_m(X_t)が成立する.ここでX_tは一般ファイバーである.
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