研究課題/領域番号 |
15340027
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 昌宏 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50182647)
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研究分担者 |
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50118535)
斉藤 三郎 群馬大学, 工学部, 教授 (10110397)
磯 裕介 京都大学, 大学院情報学研究科, 教授 (70203065)
大西 和榮 茨城大学, 理学部, 教授 (20078554)
登坂 宣好 日本大学, 生産工学部, 教授 (00059776)
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キーワード | 逆問題 / 数学解析 / 数値解析 / 不安定性 / 正則化 |
研究概要 |
直接的な観測が不可能な対象の内部の物理的な性質を、利用できる境界における観測データから決定するという問題は広く逆問題とよばれる問題で、数理科学においてさまざまな形で現れてきており、その数学解析とそれに基づいた数値解析手法の開発が最近ますます要求されるようになってきている。このような傾向の背景には逆問題の応用上の重要性とあいまって、計算機や観測機器が近年になって飛躍的に向上してきたことを挙げることができる。そのため従来型の数値解法の改良が強く期待されている。しかしながら数値解法の開発や品質保証のためには逆問題自体の数学解析も遂行されなくてはならないが、あまり成果が挙げられていないのが現状である。とりわけ工業施設の耐用年限の非破壊検査による査定や地質探査などに直結している本研究計画で扱う数理科学における応用逆問題には本質的な不安定性があり、合理的かつ有効な数値解法のためには、従来型の手法をあてはめることは危険である。言い換えれば良好な再構成のためにはもとの逆問題の安定性の度合いに見合った数値手法を注意深く選ぶ必要がある。そこで対象となっている個々の逆問題について一意性や安定性などの数学解析の研究がまず必要である。さらにその知見を直ちに活用して、有効な数値解法を確立しなくてはならない。本研究組織によってそのような研究計画遂行のために平成17年度も引き続き逆問題の数学解析に関する成果を新たに確立し、簡便な数値解法を提案した。 また、逆問題研究の国際的な広がりを考慮して、本研究計画遂行にあたっては海外の研究者も招聘して最新の結果のサーベイならびに共同研究も行った。
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