研究課題
基盤研究(B)
直接視ることができない対象の内部の物理的な性質を境界における観測などの利用できるデータから決定したり、結果から原因を推定するという逆問題の研究が数理科学や工業現場において多様な形で現れてきており、その数学解析とそれに基づいた数値解析手法の開発が最近益々重要になってきている。その理由としては、逆問題の応用上の重要性とあいまって、計算機や観測機器が近年飛躍的に向上してきたことがある。そのために従来型の数値解法の改良が強く期待されている。しかし、数値解法の開発や品質保証のためには逆問題自体の数学も遂行されなくてはならないが、あまり成果が挙がっていないのが現状である。例えばプラントなどの内部の状態を適切に評価・制御して効率的かつ経済的な施設の運営に結びつけるような産業界における逆問題には本質的な不安定性があり、合理的かつ有効な数値解法のためには、従来型の手法をあてはめることは危険である。言い換えれば、良好な数値解を得るためには、もとの逆問題に安定性の度合いにみあった精度を保証する数値解法を選ぶ必要がある。そこで対象となっている個々の逆問題に対して一意性や安定性などの数学解析の研究がまず必要である。本研究ではそのような逆問題の数学解析の成果とそれに立脚した有効な数値解法が開発された。数学解析の手法としても偏微分方程式論や関数論など知識を駆使した多彩な成果が得られた。さらに本研究成果に関して産業界との連携が深まり、特許の出願が成された。
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