研究分担者 |
石井 克哉 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 教授 (60134441)
岡田 正巳 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00152314)
小藤 俊幸 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30234793)
坂上 貴之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10303603)
杉原 正顕 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80154483)
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研究概要 |
3ヵ年計画の第二年度として,初年度の研究成果を受け,個々の研究課題を発展させるとともに,引き続き数値計算に必要なコンピュータ環境の整備を行った.研究実績では,保存性・安定性を保持する数値解法の研究を推進した.分担者・前田茂は,逆誤差解析の観点を広げ,差分方程式の解点列を積分曲線が内挿するようなベクトル場(常微分方程式系)の存在の可否を研究した.また,分担者・岡田正巳らは,スプライン関数を用いて,選点法による近似計算に適した関数を構成する方法を研究し,実際にそれを用いた非線形偏微分方程式の数値計算シミュレーションを行った.さらに,物理系の具体的な問題に対して保存的数値解法を構成し,系の性質を調べるという立場で,分担者・坂上貴之は球面にある渦層の数値的・数学的研究を行った.地球の自転の効果を間接的に表現するために球の北極と南極に渦糸を固定し,それが誘導する背景速度場のもとでの渦層の時間発展を調べ,渦層の線形安定性解析も実行した.分担者・石井克哉は,高解像度結合コンパクトスキームを保存型移流方程式に適用し,よい結果をえ,またスキームの境界条件に対する安定性を解析した.力学系の長時間積分によってその漸近的性質を調べる上では,離散変数法を高度化し,並列計算環境などを活用する必要がある.分担者・杉原正顯および山本有作は,二重指数函数変換とSinc函数を併用するDE-Sinc数値計算法の研究を遂行した.また,代表者・三井は大規模変数係数常微分方程式系の数値積分への並列化アルゴリズムの構成について研究し,block Rosenbrock型を提唱し,分担者・小藤俊幸は遅延を含む力学系方程式の離散変数法を研究した.分担者・杉浦洋は,近似解法の高速化をめざし,自動Chebyshev級数補間の研究および代数方程式に対するNourein法系列の解析を行った.これらの研究によって,力学系の保存性・安定性に対応する離散解法の定性的および定量的な性質が明らかとなりつつある.
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