研究課題/領域番号 |
15340034
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中木 達幸 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50172284)
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研究分担者 |
長藤 かおり 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (40326426)
木村 正人 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70263358)
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30192727)
坂上 貴之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10303603)
大森 克史 富山大学, 教育学部, 教授 (20110231)
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キーワード | 渦糸の緩和振動 / 球面上の渦糸 / 渦輪の局所安定性解析 / 移動・自由境界問題 / 質量保存型有限要素法 / 数値的検証法 / アダプティブメッシュ / 正射影付有限要素方程式 |
研究概要 |
1.流体に発生する渦に関して、次の結果を得た。(1)すでに知られている5つの渦糸の緩和振動の状況を表すパラメーターを動かすとき、緩和振動が起こるのか消失するのか、消失すればどのような状況になるかを解析した。また、3つの渦糸についても緩和振動が起こる状況を発見した。(2)純粋ずり流によって断面が楕円形に歪んだ渦柱上の線形撹乱および固有値をBessel関数を用いてあらわに書き下すことに成功した。(3)渦輪の安定性について、局所安定性解析・弱非線形解析・直接数値計算による研究を行い、Widnall不安定性を比較し、性質の違いを明らかにした。(4)極に固定された渦糸を持つ球面の上での非粘性非圧縮流の渦運動を数学・数値の両面から研究し、極渦の大きさの変化による解の大域的な時間発展の遷移を示した。 2.移動・自由境界も持つ流体問題の数値解法に関して、次の結果を得た。(1)1流体問題について、境界を追跡のための特異極限を用いた解法を開発して、その有効性を数値的に調べた。(2)混ざり合わない非圧縮性の2流体問題について、ラグランジュ乗数を用いた質量保存型有限要素法を開発した。数値実験の結果、本手法の質量保存率が従来の方法に比してかなり高いことがわかった。 3.2次元の流体問題の種であるDriven Cavity Problemに対して精度保証付き数値計算法を適用し、Reynolds数がある程度大きい場合でも定常解の検証が行えることを検証数値例により確認した。 4.数理流体問題に関連するいくつかの反応拡散系に対するアダプティブメッシュを用いた有限要素法による数値解析を行い、計算自由度の圧縮比と解の関係を調べた。 5.流れ問題や弾性体問題に対する有限要素法について、正射影付の剛性行列で表される有限要素方程式に対して部分構造反復法のアルゴリズムを構成した.
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