研究課題/領域番号 |
15340036
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
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研究分担者 |
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50171905)
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
仲田 均 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40118980)
渡部 俊朗 会津大学, 総合数理科学センター, 専任講師 (50254115)
佐藤 健一 名古屋大学, 名誉教授 (60015500)
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キーワード | 半レヴィ過程 / 半自己相似過程 / 半定常過程 / 半自己分解可能分布 / 加法過程 / オルンシュタイン・ウーレンベック過程 / 無限分解可能分布 |
研究概要 |
1.半レヴィ過程は加法過程ではあるが一般的にはセミマルチンゲールではないため、確率積分が定義できない。そこでまず加法過程がセミマルチンゲールになるための必要十分条件を、加法過程の基礎になっているその特性関数のレヴィヒンチン表現の言葉で決定した。さらに広義積分が存在する条件も、半レヴィ過程の半定常増分性の周期に関係することがわかった。それらを使って、半レヴィ過程、半定常オルンシュタイン・ウーレンベック過程、半自己相似加法過程のクラスの関係を明らかにした。 2.ここ数年、前島・佐藤・渡部が精力的に研究してきた半自己分解可能分布のサブクラスについて、確率積分表現による特徴づけを試みた。自己分解可能分布の場合はその定常増分性により特性関数による証明が可能だが、半自己分解可能分布に対してはその方法が使えない。そこで、1.で述べた3過程の関係を巧妙に使うことで、その証明に成功した。 3.半自己相似加法過程は、その周辺分布が半自己分解可能になることが前島・佐藤の研究で知られているが、そのような例はまだあまり見つかっていない。最近前島の学生高橋が、ランダムな環境下での拡散過程の問題の中でそのような確率過程の構成に成功した。この例をさらに発展させることによって、数理物理現象における半自己相似過程の構成が期待され、次年度取り組みたい問題のひとつである。 4.その他の課題についてはまだ結果がでるまでに至っていないが、次年度の研究につながる部分的な結果は出つつある。
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