研究分担者 |
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90251610)
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
池田 榮雄 富山大学, 理学部, 教授 (60115128)
長山 雅晴 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (20314289)
阪井 一繁 龍谷大学, 理工学部, 助手 (00288664)
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研究概要 |
平成15年度は,斉次ノイマン境界条件が課された,1次元有限区間上の双安定反応拡散系 ετ<δu>/<δt>=ε^2<δ^2u>/<δx^2>+f(u,v),<δv>/<δt>=<δ^2v>/<δx^2>+g(u,v) に現れる余次元が2である分岐点の近傍における解構造の研究を実施した(0<ε≪1).ここに, f(u,v)=-u-1-v/2 (u<0),f(u,v)=-u+1-v/2(u<0),g(u,v)=u+d-v/2 であり,εは十分に小さな正の定数である.2個の内部遷移層を持つ解が現れるこの方程式系には2つのパラメータd∈(-1,1)とτ>0がある.dは内部遷移層間の幅をコントロールし,τは緩和時間比を表す.τが大きい時は静止内部遷移層解が安定であるが,τの値を小さくするとさまざまな内部遷移層解が現れる.さらに,余次元が2である分岐点の一種である2重ホップ分岐点を与えるパラメータ{d,τ}の組が加算無限個存在することが知られている.そのうちの1組だけについてd〓-1であり,他のすべてについてd〓1である. 本研究では,このような2重ホップ分岐点の周辺における解構造を,ε→0の極限で得られる特異極限系などを用いて研究した.その結果,d〓1である分岐点の近傍では,周期倍分岐現象が次々と現れ,さらに,カオス的な振る舞いが改めて観測されるなど,数理的な解析の困難さが示唆された.一方,d〓1である分岐点の近くでは対称振動と反対称振動の一次結合が現れるようであり,これを当面の解析対象として採用し,分岐構造解析プログラムの作成に着手した.
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