研究課題/領域番号 |
15340041
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小俣 正朗 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20214223)
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研究分担者 |
宮川 鉄朗 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10033929)
田村 博 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80188440)
岩崎 宏 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30242514)
神保 秀一 北海道大学, 理学研究科, 教授 (80201565)
WEISS Georg 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (30282817)
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キーワード | 変分問題 / 非線形偏微分方程式 / 特異点 / 数値解析 / 最小化法 / 自由境界問題 |
研究概要 |
本年度は双曲型の自由境界問題を中心に研究を行ってきた。現在、体積保存条件を持つ泡の振動方程式を導き、その数値解析プログラムの一部が完成した。これは、制約付き双曲型自由境界問題である。この種の自由境界問題には、変分問題に基づく計算方法である双曲型の離散勾配流法が大変有効であることが分かった。制約条件の無い場合の双曲型自由境界問題でも、近似方程式がうまく意味づけられ、空間次元が1の場合に弱解の構成が行われた。しかし、まだ、強力なダンピングタームが付いている。この問題は、物理的なイメージとしては、石鹸膜が水面にふれているモデルの時間ダイナミクスであり、その振動解析するのが目標である。空間微分の主要項を極小曲面方程式とすると自由境界が無くても会の存在が知られていない。よって、ここでは主要項はラプラシアンとした。これに対しても、菊地・小俣、中根等の結果が知られているだけである。 また、多重ポテンシャル井戸が現れる変分問題について進捗があった。BMOアルゴリズムのベクトル版でパラメータ(差分幅と時刻)の選択が適切であれば、多重ポテンシャル井戸の場合と同じ挙動をすることが分かった。さらに、スメクティク液晶の振動問題(退化双曲型)も弱解の構成と数値計算方法の開発が出来た。研究は、補助金のおかげと研究分担者の協力により順調な進捗を見せている。今後の課題として、より高次元の問題への対処、より特異性の高い問題への拡張、安定性の議論な備が考えられる。
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