研究課題/領域番号 |
15340044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西谷 達雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127117)
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研究分担者 |
土居 伸一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00243006)
杉本 充 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60196756)
林 仲夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30173016)
大鍛治 隆司 京都大学, 理学部, 助教授 (20160426)
梶谷 邦彦 筑波大学, 数学系, 教授 (00026262)
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キーワード | ジュブレイ空間 / 先験的評価 / 重み関数 / 擬微分作用素 / ワイルーヘルマンダークラス / 初期値問題 |
研究概要 |
当該研究の初年度であることから、まず次のような研究からスタートした。2階2変数の一般の双曲型偏微分作用素を考え、特性根が実であることだけを仮定して、どのようなジュブレイの空間で、初期値問題が適切になるかどうかを研究した。作用素が時間変数にのみ依存する場合には、シンボルのある種の積分をエクスポネンシャルの肩にのせたものが、適切性を導く先験的評価を得るのに効果的であることが分かっている。そこで、係数が一般に空間変数に依存する場合にもこの重み関数が効果的であろう、との予想からこの重み関数を研究した。係数が空間変数に依存すると、この重み関数はもはや、擬微分作用素の表象とはならず、擬微分作用素として扱うことができない。そこでこの重み関数をまず滑らかな関数で近似することを考えた。モリファイヤーによる近似を考えるが、時空間に関する一様な近似では、特性根が重複する辺りでは、この近似は全く効果的でなくなる。そこで作用素の表象の時間微分を距離として導入し、この距離に関して一様に重み関数をモリファイした。このようにして得られた新しい重み関数は擬微分作用素としては、ワイルーヘルマンダークラスに属す擬微分作用素となる。ワイルーヘルマンダーカリキュラスを利用して、ジュブレイ指数が5/2以下ならば、先験的評価が得られることが分かった。これにより、重み関数が高々多項式程度の増大度しかもたないときには、初期値問題がジュブレイ指数が5/2以下の空間で適切となることが分かった。
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