研究分担者 |
林 仲夫 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30173016)
土居 伸一 大阪大学, 理学研究科, 教授 (00243006)
杉本 充 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (60196756)
松村 昭孝 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (60115938)
大鍛冶 隆司 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20160426)
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研究概要 |
双曲型2次特性点の分類について,ほぼ最終的な結果を得た.双曲型2次特性点で,その点でのハミルトン写像の固有値がすべて純虚数からなる場合を非効果的双曲型特性点と呼び,その周りでの初期値問題がC^∞適切になるかどうかが,残されていた基本的な問題であった.このとき,2次特性点を,その周りでの零陪特性帯の挙動が,2次特性多様体に対して安定であるかどうか,すなわち,この2次特性点を極限点とする零陪特性帯が存在するか否かで分類する.このとき,以下の結果を得た.零陪特性帯の挙動が安定な場合は,作用素の主表象が,この点の周りで,いわゆる基本分解可能となって初期値問題はC^∞適切となる.一方,陪特性帯の挙動が安定でない場合には,基本分解不可能であり,C^∞適切でない.さらに詳しく,C^∞適切ではないが,Gevreyクラスの5では初期値問題は適切である.このGevrey指数5は最良である.すなわち,零陪特性帯の挙動が安定でなければ,Gevrey指数が5より大なるGevreyクラスではもはや適切でない.これらの結果をうけて以下の萌芽的結果を得た.2次特性多様体の余次元が3のとき,ハミルトン写像が,固有値は純虚数のままで,そのスペクトル構造が変化する場合には,初期値問題はGevreyクラスの5で適切となる.
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