研究課題/領域番号 |
15340047
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
坂口 茂 愛媛大学, 理学部, 教授 (50215620)
|
研究分担者 |
三上 敏夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70229657)
橋本 貴宏 愛媛大学, 理学部, 助手 (60291499)
|
キーワード | 熱方程式 / 等温面 / 初期値問題 / 有限伝播性 / 非線形拡散方程式 / 初期境界値問題 / 解の初期挙動 / 球 |
研究概要 |
1.N次元ユークリッド空間の領域Ωについて、集合Ωの特性関数を初期値とする熱方程式の初期値問題の一意解をuとするとき、Ωの境界∂Ω自身が常にuの等温面になっているような領域Ωの分類問題を考えた。一般に∂Ωの平均曲率は一定になることを示した。また、N=3で∂Ωが連結なとき、∂Ωは球面、円柱面、または極小曲面であることを示した。このとき、平面以外の極小曲面の例としてhelicoidがあることを発見した。さらに、∂Ωとは別の超曲面Γが常にuの等温面になっている場合の領域Ωの分類問題について、∂Ωが連結で滑らかなときは∂Ωの主曲率はある対称な方程式を満たすことを示した。これらはR.Magnanini(フィレンツェ大)およびJ.Prajapat(インド統計学研究所)との共同研究による。 2.N次元ユークリッド空間の滑らかな有界領域Ωにおいて、有限伝播性を持つ非線形拡散方程式のうち、一般化されたporous medium方程式およびp-Laplacian (p>2)の発展方程式の初期境界値問題で、初期値を零、境界値を正定数とするとき、もしΩ内の境界∂Ωに接する半径が一定な任意の球内の解の空間積分が球の位置に依存しないならば、Ωは球に限るという定理を球たちの半径が十分小さいという仮定の下に示した。これらはR.Magnanini(フィレンツェ大)との共同研究による。定理の証明は次の2つの事実による。 (1)比較的一般の有限伝播性を持つ非線形拡散方程式に対して、初期時刻の近傍での解の優解と劣解を境界からの距離関数と時刻の2つの変数をもつ自己相似解の形として構成できる。 (2)(1)を用いて定理を証明するに十分な解の初期挙動が得られる。
|