研究分担者 |
石川 史郎 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10051913)
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
菊池 紀夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80090041)
高山 正宏 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (90338252)
野寺 隆 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50156212)
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研究概要 |
3次元空間内の非有界壁とこれと交わらない自由表面で囲まれた帯状領域での圧縮性Navier-Stokes方程式の自由境界問題に関しては次の結果を得ている:重力が鉛直下向きに作用していて,自由表面においては表面張力が作用している場合の一意な時間局所解をSobolev-Slobodetskii空間で構成し,またこの解が熱対流を表す平衡静止解のまわりでは時間大域的に存在することを示した.同じ幾何学的形状を持つ2次元空間内の帯状領域における非圧縮性Euler方程式に対する自由境界問題の一意な時間局所解をSobolev空間で構成した.古くから知られているこの問題の特殊解であるtrochoidal waveのまわりでの解の構成および3次元問題が考察され,部分的解決をみた.さらに,2次元回転円盤上で,重力が回転軸に対して鉛直下向きに作用している場合の非圧縮性Navier-Stokes方程式に対する自由境界問題の薄膜近似の妥当性を証明し,現在それに引き続き解の分岐状況を調べている. 境界上で流体対粒子に滑りが起こる場合は既にNavier自身により考察されているが,その数学解析は世界的にも代表者のまわりでしか行われていない.この問題に関しては,非圧縮性Navier-Stokes方程式に対してHolder空間での解が3次元領域で時間局所的に,2次元領域では時間大域的に,dataの小ささの仮定なしで証明できた.定常問題については,非圧縮性Newton流体に対する閾値滑り境界値問題,非圧縮性second grade非Newton流体の一般Navier型滑り境界値問題の可解性が証明された. 流体方程式関係の問題では,この他に角領域での問題,一般Navier型滑り境界値問題の解の漸近挙動等が議論され,現在投稿中である. もう一つの連続体である固体に対しては次の結果が得られている:半無限亀裂を含む2次元帯状領域における非定常粘弾性体方程式の弱解の一意存在.
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