研究分担者 |
白井 朋之 金沢大学, 理学部, 助教授 (70302932)
高信 敏 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (40197124)
中尾 愼太郎 金沢大学, 理学部, 教授 (90030783)
加藤 信 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10243354)
小倉 幸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00037847)
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研究概要 |
リーマン多様体,より一般にリーマン多面体やサブリーマン多様体を特別なものとして含む,保存的正則ディリクレ空間の族のスペクトル収束とその極限の解析を行った.具体的には,次の結果を得た:(1)内在的距離に関して完備な正則ディリクレ空間の開集合部分のディリクレ形式に関する核関数,グリーン関数,調和関数,さらに非正曲率多様体への調和写像などのアプリオリ評価を与え,連続性を示した.(2)保存的正則ディリクレ空間の族のスペクトル収束列の収束開集合列を考察し,核関数,グリーン関数,調和関数,調和写像などの収束を示した.これは,楕円型ハルナック不等式の成立しない状況においても,エネルギー最小解の列のエネルギーの集中によるある種の不連続性が極限空間の特異性に吸収されるという新たな知見を与えたことになる.(3)測地グラフのスペクトル収束とその極限の解析においてひとつの試みをした.これによって,リーマン距離,エネルギー形式,空間測度の関係の研究における新たな課題を提供した.フラクタル集合上での確率過程の構成とも密接に関るものであり,さらに非コンパクト極限を持つ場合に多くの問題を示唆している.(4)コンパクトリーマン多様体のスペクトル距離収束の考えに基づいて,接続の与えられたエルミートベクトル束の粗ラプラス作用素のスペクトル収束およびエネルギー形式のモスコ収束に関する全有界性と極限のベクトル即の解析を行った.また微分形式に関するホッジラプラシアンとの関係から,下に有界な準同形作用素をポテンシャル項として含む場合も考察した.この場合は幾何的に重要な場合であり,今後の課題である.
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