研究分担者 |
古島 幹雄 熊本大学, 理学部, 教授 (00165482)
原岡 喜重 熊本大学, 理学部, 教授 (30208665)
三沢 正史 熊本大学, 理学部, 助教授 (40242672)
岩崎 克則 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (00176538)
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
|
研究概要 |
本年度の主な研究成果は、(2,1,...,1)型一般超幾何関数の大域解析、rigidなlocal systemに対応する微分方程式の接続問題、一般Airy積分に対するde Rham理論の整備、および、Painleve方程式系の変換群と合流操作の関係に関するものである。 GL(N, C)の正則元の中心化群の共役類はNの分割によって決まるが、一般超幾何関数は、このようにして得られる極大可換部分群の普遍被覆群の指標のRadon変換として定義されるGrassmann多様体Gr(n, N)上の多価正則関数である。前年度までの研究で、分割(q,1,...,1)の型の一般超幾何関数の積分表示に付随する代数的de Rham cohomology群が決定された。これは一般超幾何関数の満たす微分方程式をGauss-Manin系の形で決定するときの未知関数を決定することと同等である。 このタイプの一般超幾何関数の中で、(2,1,...,1)型に対してGauss-Manin系を計算し、その特異性の決定、基本群の決定、monodromy群などの大域的な性質を決定した。 アクセサリーパラメータを持たないOkubo方程式に対してその積分表示を導いたが、そのなかで分割(1,...,1)に対する一般超幾何関数(Aomoto-Gelfand超幾何)の退化した場合に相当するものの接続係数を決定した(Haraoka). 一般超幾何関数を定義する積分は、捩れde Rham理論におけるhomology類とcohomology類の双対性の実現として理解できることがAomoto-Gelfandの超幾何関数の場合に知られているが、一般の分割に対する超幾何関数の場合には理論的整備がなされていなかった。Nの分割が(N)の場合、すなわち一般化Airy関数の場合にde Rham理論を整備した(Iwasaki).これ以外のNの分割の場合はまだ十分に整備されていない. Grassmann多様体Gr(2,4)上の一般超幾何関数はすべて、パラメータが特別な場合のPainleve方程式の特殊解として得られ、その性質は一般超幾何関数のそれと密接な関係がある。これらのPainleve方程式の変換群と合流と呼ばれる極限操作との関係を明確にした(Masaki Suzuki, Nobuhiko Tahara and Kyoichi Takano).
|