研究課題/領域番号 |
15340064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
小池 千代枝 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20097835)
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研究分担者 |
周藤 浩士 国立天文台, ハワイ観測所, 助手 (50300710)
深田 守 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (00097841)
梅本 光一郎 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (80097831)
土山 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90180017)
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キーワード | 星周塵 / 遠赤外スペクトル / 低温 / 微粒子 / バルクの反射率 / オリビン / 炭酸塩鉱物 / 分光形 |
研究概要 |
本年度は決定が遅くなり短期間であったが、まず紫外可視近赤外分光系システムの設置・整備を行った。さらに、これまでの微粒子の広い波長領域での測定を行った。新しく実験室で生成したメリライトを測定し遠赤外では観測と非常によく一致することを明らかにした。これは5月、および夏のアメリカでの国際会議では非常に注目をあびた。また、炭酸塩鉱物についても観測と非常によく一致することでも5月のアメリカでの国際会議で注目をあびた。 これまで観測と比較するときには、一般的には室温での測定データしかないので室温のデータと比較していた。ところが星周では40-200Kとかなり温度が低いと予想されている。我々は、オリビンと炭酸塩鉱物について連続的に低温にしてスペクトルがどのようになるか昨年整備した低温装置を使用して遠赤外で測定した。低温にすると、ピークの位置は短波長にシフトし、ピークは非常に鋭くなり、強度は強くなる。これは、観測している領域の温度を推定するための良い指標になりうる。特にMg-richなシリケイトダストのピークが検出されているので、この指標は重要となる。またフォルステライトの69μmバンドのピークは今までにも測定されているので、温度とピークの良い相関は天文学会そのほかの研究会では好評であった。 さらに、バルクの反射率の温度依存性の測定システムの整備については分担者の周藤が中心になり進めてきた。ようやく整備が完成して、今回中間赤外から遠赤外まで測定できるようになり、フォルステライトの反射率のデータが得られた。すなわち、フォルステライトの反射率も、低温にするとピークは短波長にずれ、シャープになり強度は大きくなる。さらに69ミクロンバンドは温度を下げれば、反射率の強度は室温での33%が50Kでは90%近くになった。これからデータ整理をしできるだけ早く報告する予定である。
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