研究課題
基盤研究(B)
本研究には次世代広視野カメラを実現するための技術的基礎開発と、これを用いた将来の大規模なダークマター分布探査のための予備的理論的観測的研究の二つ柱があった。研究活動の成果は以下のようである。(a)完全空乏型CCDの開発及び評価空乏層の厚さを200ミクロン以上に拡大し、赤外線側の感度を改善し、かつ工程の簡素化により歩留まりの改善を狙って開発を進めてきたのが完全空乏型CCDである。平成15年度、16年度の開発研究により、アンプノイズ、電荷転送効率、暗電流といったCCD素子としての基本的な特性を満足するものが完成した。空乏層は300ミクロンに達し、-100Cでの感度が50%を記録した。これは従来型の素子と比べると5倍以上の改善である。完全空乏型素子としての要素技術は完成したため、今後は3cmx6cm角程度の大型化を目指す。これは浜松ホトニクスとの共同開発である。(b)HyperSuprimeの光学系及び機械系の設計岡本光学と共同で、直径2度を実現する補正光学系の設計が完了した。また、FEM計算を行うためのCADソフトを導入し機械系の設計検討が完了し、3500kgの重量制限内に収まることが確認できた。(c)大規模CCD読み出し回路の開発Hypersuprimeでは最終的には、500チャンネル程度の読み出し回路が必要となる。これを実現するためのスケーラブルなデータ収集システムを開発した。(d)将来の大規模なweak lensing surveyの計画立案のために、N体計算、光学追跡法を組み合わせて、検出されるダークマターハローの質量分布関数の理論予想を行った。(e)現在すばるにあるSuprime-Cam(カメラ)とFOCAS(分光器)を用いて、パイロットサーベイを行い、その進歩状況を報告した。
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