研究課題/領域番号 |
15340066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
郷田 直輝 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 教授 (50202073)
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研究分担者 |
辻本 拓司 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助手 (10270456)
松原 英雄 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (30219464)
山田 良透 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20230493)
中島 紀 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 助手 (20300709)
小林 行泰 国立天文台, 天文機器開発実験センター, 教授 (50170361)
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キーワード | スペース天文学 / 高精度位置天文観測 / 赤外線天文学 / オブジェクト指向 / 3枚鏡光学系 |
研究概要 |
近赤外線高精度位置天文衛星観測(JASMINE)計画では、観測対象、観測装置、衛星システムまでの個別の要素が観測精度に与える影響に関する検討と、これら個別の要素の持つ誤差・擾乱などを取り入れて実際の観測を総合的にシミュレーションする統合シミュレーションシステム「JASMINE Simulator」の開発を、平行して進めている。 個別要素の検討状況は以下の通りである。衛星システムなどに関してはJAXAや東大などの協力者とともに定期的な会合を持ち、鏡の口径や配置、必要な姿勢安定度等の全体設計が進んだ。光学系に関しては、日本の天文観測では初めて3枚鏡光学系を採用し、この光学系を位置天文観測の要求に合わせて最適化した。 シミュレーションシステムの進展状況は、以下の通りである。本年は、JASMINE仕様の計算を行うためのプログラムを実装した。これをもとに、より汎用的な観測手法検討プログラムの全体の設計を行った。ここで構築されるソフトウエアは、10年以上にわたる衛星計画をサポートし続けるため、拡張性や保守性に優れている必要があり、近年発展している情報関連技術(オブジェクト指向技術等)を適用した。我々の設計は、処理を行う箱型モデル、複数の処理の依存性を表す線型モデル、線の中を流れるデータモデルの三種類のモデルに抽象化されている。箱型モデルは観測対象である「宇宙」、「検出器」、「衛星」などのパーツが共通に持つべき性質を考慮した抽象化を行い、これらを組み合わせるためのデータフローをグラフィカルに編集するプログラムの開発を行った。この抽象化レベルに基づいて、グラフィカルな編集機能によって依存性が図的に構築できること、この図が示す依存性に適切にしたがって必要なデータの更新が行われること、分散処理など適切な拡張性が残されていることを重視した。これに関しては、まもなく国立天文台報に投稿予定である。
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