研究課題/領域番号 |
15340076
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
川越 清以 神戸大学, 理学部, 助教授 (40183785)
|
研究分担者 |
真下 哲郎 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (60181640)
久野 純治 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (60300670)
野尻 美保子 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30222201)
越智 敦彦 神戸大学, 理学部, 助手 (40335419)
|
キーワード | LHC / 超対称性 / コライダー / ダークマター / ニュートラリーノ |
研究概要 |
本研究は2007年度に開始するLHC実験において、超対称性についてどのような成果を出しうるかを明らかにすることを目的としている。今年度行った研究の主な内容は次の通りである。 1.LHCにおけるKKLTモデル超対称性発見可能性の研究 超対称性理論のKKLTモデルでは超対称性の破れがSUGRA(Super gravity)とAMSB(Anomaly mediation symmetry breaking)によって引き起こされる。このとき、多くの超対称性粒子の質量が縮退し、SUGRAの場合と異なり、超対称性発見の証拠となる横方向のエネルギー欠損やハードジェットの信号が見えにくくなる可能性がある。KKLTで典型的なパラメータを選び、モンテカルロ自称を作成し、LHCにおけるアトラス実験による発見能力の検討を行っている。 2.ダークマターに関する研究 (1)LHC実験で発見が期待される超対称性粒子ニュートラリーノは、宇宙の全エネルギーの約23%を占めるダークマターの最有力候補と考えられている。このニュートラリーノとスカラー電子の質量をLHCなどのコライダー実験で精度よく決定できれば、線形電子加速器で加速した電子をハロー中のダークマター(ニュートラリーノ)と衝突させて、スカラー電子を生成することで、ダークマター=ニュートラリーノであることを決定できる可能性がある。スカラー電子の生成断面積と必要となる測定器まで踏み込んで議論した。 (2)ダークマターがWINO-likeなニュートラリーノであった場合、銀河ハローにおける対消滅で生成される陽電子や反陽子を捕らえることで間接的な検証ができるかもしれない。将来実験での発見可能性について検討した。
|