研究分担者 |
渡辺 裕 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50353363)
石山 博恒 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50321534)
鄭 淳讃 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00262105)
光岡 真一 日本原子力研究所, 物質科学部, 研究員 (40354881)
下田 正 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70135656)
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研究概要 |
15年度は、データ収集装置高速化のために、VMEボードコンピュータや高速なテープ装置の購入により、従来に較べ5倍程度高速なデータ収集が出来るようになった。これにより、すくなくとも10^4pps程度のビーム強度による短寿命核ビーム実験が可能となったので、10mb程度と推定される^8Li(α,n)反応の、天体核物理上もっとも重要とされるE_<cm>〜0.5MeV領域での測定を年度後半に行うことが出来た。 他方、既に実験を行った1〜3MeV領域での^8Li(α,n)反応断面積の解析が進み、実験手法、解析結果などについての成果を国際会議やワークショップ、日本物理学会などで発表した。この結果によれば、我々の得た高精度な断面積データは、放出中性子を測定していない従来の結果と一致しないことが分かった。現在、さらに解析を進めて、^<12>B複合核から^<11>B各励起状態への分岐比を明らかにする予定であり、これにより、クラスター模型などとの詳細な比較検討が始められるものと期待している。また、安定な原子核が存在しない質量数8を越えて重元素が生成するための温度とHe原子核数密度との天体における条件が明らかになるであろう。 反応により生成された終状態のエネルギースペクトルの分解能向上が、模型との比較では重要となる。分解能劣化の原因の一つは、中性子飛行時間検出器からの時間情報取得に単純なディスクリミネータを用いていることにあり、補助金の一部をこの部分の性能向上のための費用(CFD購入)に充てた。 本測定と前後して、16年度に実験予定の^<12>B,^6Heのビーム開発も行った。^9Be(^7Li,^6He)^<10>B, d(^<11>B,^<12>B)P反応で^<12>B,^6Heを生成し、反跳核分析器で質量分離を行った。開発実験の結果、夫々の純度が、58%,約90%程度となることが分かり、十分に実験に使える強度でビーム生成出来ることを確認した。
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