• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

φ中間子工場におけるハイパー核の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15340087
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

永江 知文  高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 教授 (50198298)

研究分担者 野海 博之  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10222192)
関本 美知子  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50206637)
応田 治彦  独立行政法人理化学研究所, 中央研究所, 先任研究員 (60221818)
キーワードハイパー核 / ストレンジネス
研究概要

イタリアのフラスカッティ研究所におけるΦ中間子工場でのハイパー核実験FINUDAは、平成15年度の終わりまでに、^6Li,^7Li,^<12>C,^<27>Al,^<51>Vの5種類の原子核標的を用いて、実験データを取得した。積分ルミノシティは、予定通り250pb^<-1>に到達した。このデータ取得により得られた全データは、磁気テープにコピーして、全て日本に持ち帰って解析を行った。各検出器の各種較正が進行しつつあるところだが、K中間子崩壊からの特徴的な運動量を持つμやπに対しては、設計値に近い運動量分解能を再現するところまできている。今後も、更に解析が進行することにより、より良い分解能の達成が期待されている。ハイパー核の生成についても、^<12>C標的に対しては、1.45MeV(FWHM)という分解能を達成し、基底状態及び励起状態に対応するピーク構造の観測に成功した。この分解能は、これまでの最高分解能に匹敵するものであり、これまでに観測されていなかったような新たな励起準位も観測されている。その他の標的についても、束縛領域に多くの事象が観測されており、今後の解析結果が大いに期待されるところである。昨年度より進めていた最内層のトリガー検出器の増強も完了し、準備が整った。また、K中間子の深い束縛状態の探索についてデータ解析を進めた結果、最も軽い束縛系と考えられるK-pp系の発見に、世界で初めて成功することができた。得られた束縛エネルギーは、約115MeVと非常に深いものとなっており、高密度状態の形成が予想される。今後、その方向での研究の端緒となることが期待される重要な結果である。中性子の解析が進むことにより、他の荷電状態の観測も可能となるはずである。シグマハイパー核の生成についても、シグマハイパー核の崩壊によって生成されるラムダ粒子を観測するという手法による解析が進行中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] FINUDA実験におけるK-pp束縛状態の研究2005

    • 著者名/発表者名
      藤岡宏之
    • 雑誌名

      原子核研究 Vol.49

      ページ: 165-169

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Hypernuclear Spectroscopy

    • 著者名/発表者名
      T.Nagae
    • 雑誌名

      II Nouvo Saggiatore (発表予定)

  • [雑誌論文] First Hypernuclear Results from the FINUDA experiment at DAFNE

    • 著者名/発表者名
      M.Agnello et al.
    • 雑誌名

      Int.J.of Mod.Phys.A (発表予定)

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi