研究課題/領域番号 |
15340091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
STRASSER Patrick 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 協力研究員 (20342834)
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研究分担者 |
石田 勝彦 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 副主任研究員 (70176189)
松崎 禎市郎 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 副主任研究員 (10134842)
岩崎 雅彦 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 主任研究員 (60183745)
松田 恭幸 独立行政法人理化学研究所, ミュオン科学研究室, 研究員 (70321817)
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キーワード | ミュオン / 固体水素 / イオン源 / ミュオンX線 / イオン注入 / 不安定核 / ラジウム |
研究概要 |
初年度においては、ラジウム同位体のイオンをつくるための新しいイオン源の設計と開発を進めた。2つの異なった手法について調査を行った。(1)表面イオン化型イオン源、放射性物質が熱せられると、イオン化され真空中に政出される、(2)α崩壊反跳生成物型イオン源、α崩壊で反跳した核をガス捕獲/イオンガイド装置に導く。同種のイオン源を製作した研究者と連絡をとり、それぞれの型の利点・欠点を評価した。1番目の型では、イオン源の放射線強度は、放射性同位体の寿命に依存し、寿命が長いほど、放射線強度は少なくてすむ。一方、2番目の型では、イオン源の放射線強度は植え込みに必要なイオンビーム強度に主に依存する。これを考慮すると、表面イオン化型の方がイオン源の放射線強度を少なくできることから、われわれの目的によりあったものとなる。さらに、不安定核イオン源を製作する上で重要なのは、まず安定同位体のビームを用いて、装置の調整とビームの最適適化ができることである。その後に、フィラメントを取り替えるだけで、不安定イオンに切り替えて実験を行うことができる。ラジウムの場合には、ラジウム自身の安定同位体がないので、最適の候補はバリウムである。バリウムはラジウムと周期律表中で同じ類にあり、近いイオン化エネルギーを持つ。イオン源の仕様はほとんど決りつつあり、次年度にはイオン源の製作を行う予定である。 一方、既存の実験設備を用いて、理研RALミュオン施設の第4実験ポートで実験が進展した。固体水素/重水素薄膜に打ち込んだわずか数ppmの安定同位体アルゴンで、ミュオンのアルゴンへの移行によって生じるミュオンアルゴン原子の2P→1s遷移X線(644keV)がきれいに観測されるという、非常に有望な結果が得られた。
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