研究課題/領域番号 |
15340096
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 新男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50159068)
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研究分担者 |
秋本 良一 産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 主任研究員 (30356349)
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キーワード | タイプII量子井戸構造 / 希薄磁性半導体 / 磁性イオン-キャリア交換相互作用 / 2次元励起子 / バンドオフセット / 量子井戸界面 / 走査トンネル顕微鏡 |
研究概要 |
1)ZnSe/Be(Cr)Te量子井戸構造の光伝導 光注入されたキャリヤによる強磁性発現を検出する方法として異常ホール効果測定が有効である。そこで、ZnSe/Be(Cr)Te多重量子井戸構造の面内方向の光伝導を測定するためのオーミック接触作製条件を求める研究を行った。キャップ層がアンドープの場合には、金電極を310℃、100時間の熱処理を行うことによって量子井戸構造を壊すことなくオーミック接触が得られることがわかった。また、n-ZnSeをキャップ層とする量子井戸構造の場合には、280℃、1時間の熱処理により確実なオーミック電極が形成された。これらの試料における光伝導特性は、ZnSe/Be(Cr)Te量子井戸の面内方向の伝導であることを示していることから、異常ホール効果を測定する準備が整った。 2)ZnSe/BeTe量子井戸界面の構造解析 多重量子井戸構造のヘテロ界面の急峻性、断面構造を断面走査トンネル顕微鏡(STM)によって調べた。ZnSe/BeTeタイプII量子井戸のバンドアライメントでは、伝導帯の底はZnSe層、価電子帯の頂上はBeTe層にあるので電子と正孔はそれぞれの層に分離して閉じ込められる。STMによってこのような量子井戸構造の断面を測定したところ、バイアス電圧が負の場合にはBeTe層が明るく観測されるのに対して、正の場合にはZnSe層が明るく観測された。このような明暗の反転はタイプII量子井戸のバンドアライメントを2次元的なマップとして示していることになり、これが最初の報告となる。Appliedこの結果はPhysics Letttersに掲載される予定である。 3)ZnSe/Be(Mn)Te量子井戸構造の発光 ZnSe/Be(Mn)Te量子井戸構造の発光スペクトルの温度依存性を測定し、その詳細な解析を行った。界面には原子層を単位とする井戸層厚揺らぎがあると同時に、界面に4元の混晶層が存在することがわかった。この混晶層の存在により、発光スペクトルの幅が広がり、特異な温度依存性を示す。 4)p型Be(Mn)Te量子井戸の作製 MBE成長におけるNドーピングの条件出しを行い、p型Be(Mn)Te量子井戸成長の準備を整えた。
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