研究課題/領域番号 |
15340101
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
金崎 順一 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80204535)
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研究分担者 |
谷村 克己 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00135328)
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キーワード | 半導体表面 / シリコン / 光誘起結合切断 / 電子励起効果 / レーザー光 / トンネル顕微鏡 / 空格子点 / 新構造相 |
研究概要 |
Si(001)-(2x1)表面を532nmレーザーパルス(6nsec)で励起することにより発生する電子的な表面ダイマー結合切断と新たに露出される新構造相について以下の結果を得た。 1)電子的結合切断のサイト選択性について 電子的結合切断により、ダイマー列に沿った方向に伸びた空格子点stringが効率的に生成される。照射ドーズに伴う空格子点成長の様子を解析し、空格子点の同一ダイマー列上における隣接ダイマーサイトでの電子的結合切断の効率が、他のダイマーサイトに比べて十倍程度高いことを示した。 2)強強度励起下における積層ダイマー形成について 励起強度が100mJ/cm^2以上の強励起下において、空格子点生成と共に、表面での積層ダイマー形成及び成長が誘起されることを明らかにした。この積層ダイマー形成について以下の結果を明らかにした。 (1)空格子点生成効率と積層ダイマー生成効率との相関を解析し、空格子点生成の際に発生した孤立原子が会合して積層ダイマーを形成することを示した。 (2)積層ダイマーは、繰り返し照射と共に新たな孤立原子を取り込み、表面ダイマー列に垂直な方向へ選択的に成長する。 (3)奇数個のダイマーを含む積層ダイマーが効率的に生成される。このサイズ選択性は、孤立原子の捕獲確率のサイト選択性により説明できることを示した。 3)表面ダイマー除去により露出される新構造相の構造的・電子的性質について以下の結果を得ると共に、結果に基づいて新構造相の構造モデルを提案した。 (1)占有状態において、一つの基本格子に2つの輝点(間隔3.6A)を示すトンネル顕微鏡像を示す。この輝点の位置は、第二層原子位置に対して、ダイマー列方向について半位相ずれていることを明らかにした。 (2)新構造相のトンネル分光スペクトルでは、最外層ダイマーの非共有電子対に起因するフェルミ準位近傍の電子状態が完全に消失し、2〜2.5eV程度の広い表面バンドギャップを示す。
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